ドメーヌ セリーヌ 2017 エヴァンスタッド レゼルヴ ピノ ノワール
Domaine Serene 2017 Evenstad Reserve Pinot Noir
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オレゴン州。
アメリカにおけるピノノワールの名醸地である。

太平洋に沿って北にワシントン州、
南はカリフォルニア州と隣接するアメリカ33番目の州。

北緯 約45度。
この地の気候はワイン産地としては冷涼で、
リージョンにおける分類では大半が
ブルゴーニュやアルザスと同じリージョンに相当する。
畑は日当たりのよいなだらかな傾斜地で
初夏から秋にかけてほとんど降雨のない理想的な天候により
テロワールはブルゴーニュによく似ている。

特にその中心地、ウィラメット・ヴァレーは
最初に葡萄樹が植えられたとされる場所 ダンディー・ヒルズがあり
A.V.A.認定は2004年。
このダンディー・ヒルズの更に頂上に位置するワイナリーが
ドメーヌ・セリーヌだ。

1989年 ケンとグレイスのエヴンスタッド夫妻が
ダンディー・ヒルズに17haの土地を購入したことによりスタート。


ドメーヌ・セリーヌは合計で187haに及ぶ3つのエステートを所有。
そのうち60haにピノノワールとシャルドネを栽培している。

「人の手による介入は最小限に」というコンセプトのもと
環境に優しい
続可能なサステナブル農法を実践。
灌漑をせずに全ての品種が
平均収穫量を30hl/haに抑えた栽培方法で果実を凝縮させる。

ぶどうは手で収穫、厳しい選別が行なわれ
ワイナリーでは一切ポンプを使用せず、
果実が搬入されてからワインへと完成するまで、
全ての移動を自然の重力でおこなう
グラヴィティ・フローシステムを採用。

収穫した各畑の小区画のロットは
別々に小さな開放型の醗酵槽で醗酵させ、
フランスの産地の異なるオーク樽で熟成させる。

ピノノワールは14~18ヶ月樽で熟成。
清澄も濾過もせずに瓶詰め時に澱引きする。

瓶詰後は1年以上瓶熟をさせてから出荷となる。


ワインメーカーはケン・ライト氏。
オレゴンの低収量推進派のパイオニアとして
ウィラメットヴァレー北部の6つの新しいAVA の認可に
尽力した人物で1990~1997まで務め
現在はオレゴンのトップを渡り歩いてきた実力派
エリック・クライマー氏が引き継いでいる。

ヴィンヤードマネージャーはジョエル・メイヤーズ氏
オレゴン栽培家の筆頭と言われる人物。


ワイナリー・オブ・ザ・イヤーにも度々輝き、
オレゴンワインの範疇を超えて素晴らしい
ピノノワールの造り手として全米としても
代表となるワイナリーとなっている。

そんなドメーヌ・セリーヌのフラグシップ
エヴンスタッド・リザーヴをテイスティングする。

ダークチェリー、ブルーベリー、プラムの黒系果実。
ヴァニラ、チョコレートにリコリス、クローヴ、シナモンの
ハーバルなニュアンスとペッパーのスパイシーさを連ねて広がる。

アーシーでキノコっぽさが抜栓時に際立つものの
時間とともにドライイチジク、ココアのシルキーなタッチに変わり
濃縮さだけではない、エレガントな柔らかさと複雑さと
奥行きを持つワインへと変わってゆく。

味わいも若干の硬さがヴィンテージによる若さを感じさせるものの
30分ほどで官能的な果実の濃縮した長い余韻が現れる。

更に時間が経つにつれ当初の力強いタンニンが前面に出る印象から
複雑に奥深く重なり合う秀逸な味わいへと昇華する。

酸もとてもきれいでブルゴーニュのような
エレガントさも持ち合わせる。
エレガントさと力強さのバランスは熟成したときには
更なる深みの境地に至るであろう10年後が楽しみでもある。

ドメーヌ・セリーヌ・エヴァンスタッド・リザーヴ・ピノ・ノワール 2017 3ヴィンテージ連続ロマネ・コンティのワインに勝った!! アメリカ 赤ワイン 辛口 フルボディよりのミディアムボディ 750ml

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オレゴンにおいて毎年夏に行われる
ワイン関係者を世界各国ごとに集められる
2005年オレゴンワインキャンプにおいて
1998、1999、2000年の3ヴィンテージが
DRCよりも高評価をされ、知名度もさらに広がり、
2018年にはフランスのマクロン大統領を国賓として
ホワイトハウスに招いた際に晩餐会にこのドメーヌ・セリーヌと
ジョセフ・ドルーアンのワインでもてなしたことでも
現在も品質の評価は高いとわかる。

ジョセフ・ドルーアンは1987年にウィラメット・ヴァレーに進出。
オレゴンのピノノワールの高品質さを
世界へと知らしめた事は有名な話だ。

その後は、ルイ・ジャド、メオ・カミュゼもオレゴンに進出している。

特筆すべきは年間生産量が限られる小規模な家族経営のワイナリーが多く
アルコール度数はカリフォルニア州に比べると
若干低めの13%程度に造られることが多い。

エレガントで繊細な味わいのワインが多く造られている訳だが、
ドメーヌ・セリーヌにおいては
70もの区画に分けられ標高、傾斜、方位、土壌、クローンの違いに
多様性を持たせて成功している。

クオリティーの高さはオレゴンという範疇には収まらない。

そんなオレゴンの秀逸なコストパフォーマンスの
良いピノノワールを紹介したい。

クリストム マウント ジェファーソン キュヴェ
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感想(3件)



オーナーのポール・ギャリー氏と共に
ワインメーカーはスティーヴ・ドナー氏をカレラから引き抜き
シャンボール・ミュジニーのような酸と果実感をもって
ブルゴーニュワインのようなアロマで愉しめる。
オレゴンの良さも詰まっている為、
コストパフォーマンスが良い。

オレゴンのピノノワールのポテンシャルは今後も目が離せない。
これからも愉しんでゆこう。